アクチュアリー受験生も興味ありそうな新資格「データサイエンス数学ストラテジスト」がスタート
2021年9月にスタートした新しい資格「データサイエンス数学ストラテジスト」。この資格は、基礎的な数学と実践的な数学について、ハードなスキルとソフトなスキルを兼ね備えた専門家を育てるために創設されたものです。
中級と上級の2つの資格が用意されています。
中級の対象者は、社会人、大学生、高校生で、数学のレベルは高校数学。上級の対象者も同様だが、数学のレベルは大学初学年程度とされています。
データサイエンス数学ストラテジストの資格到達目標
- データ集計・分析:データサイエンスに必要なデータの集計・分析手法の理解・習熟
- 数学基礎:データサイエンス戦略・施策に必要な数学の基礎
- 機械学習基礎:データサイエンス戦略・施策に必要な機械学習の基礎
- 深層学習基礎:データサイエンス戦略・施策に必要な深層学習の基礎
- アルゴリズム・プログラミング的思考:データサイエンス戦略・施策に必要なアルゴリズム、プログラミング的思考
- 数学的課題解決:論理的思考と数学的発想を用いて課題解決に導く
- コンサルティング:ビジネスシーンでのデータサイエンス戦略・施策の実現方法の検討、提案
データサイエンス数学ストラテジストの試験内容
以下の4つの学習分野から構成されます。
学習分野①AI・データサイエンスを支える計算能力と数学的理論の理解
機械学習の仕組みを理解するには、関連する数学の理解が必要です。
- 確率統計系分野
- 線形代数系分野
- 微分積分系分野
さいころを投げて出る目の期待値と標準偏差は?
さいころを90回投げるとき、2以下の目が出る回数をXとします。Xの期待値と標準偏差の正しい組み合わせを次から選びなさい。
データサイエンス数学ストラテジスト上級公式問題集の問題8
アクチュアリー受験生であれば、Xが二項分布に従うことがわかると思います。期待値と標準偏差も覚えていますよね。
学習分野②機械学習・深層学習の数学的理論の理解
AIを用いて仕事をするには、機械学習の基本やニューラルネットワークの原理などを抑えておくことが重要です。
- 基礎理論
- 機械学習
- 深層学習
識別関数に直交するベクトルはどれか?
2次元平面上での識別関数(入力値に対し、所属するグループを示す関数)をw1x1+w2x2+w0=0とします。原点からこの直線に直交する単位ベクトルを次から選びなさい。
データサイエンス数学ストラテジスト上級公式問題集の問題52
識別関数という用語を除くと、昔懐かし線形代数の問題ですね。
学習分野③アルゴリズム・プログラミングに必要な数学リテラシー
データ分析を行うためには、機械学習などを実装するプログラミングの知識も必要となります。
- アルゴリズム
- プログラミング言語に依存しない手続き型思考
- 数学的課題解決
プログラムと相性がよい逆ポーランド記法
逆ポーランド記法を使って簡易電卓を作ります。次の式を逆ポーランド記法で表現したとき、適切なものはどれですか。
(1+4)×(6ー3)÷5
データサイエンス数学ストラテジスト上級公式問題集の問題67
逆ポーランド記法という耳慣れない言葉。でも、実務で加算型電卓を使ったことがあれば、想像できるかも。演算子を被演算子の後ろに書くのが逆ポーランド記法です。
学習分野④ビジネスにおいて数学技能を活用する能力
データ分析の結果をどのようにビジネスに繋がていくのか。そんなビジネス課題を解決するためのスキルを身につける学習分野です。
- 把握力
- 分析力
- 予測力
投資の意思決定の重要指標-現在価値をマスターしよう!
企業Nはある特許ライセンスによって、キャッシュがn年後(n≧1)に毎年Cn円ずつ永久に入り続ける状況になっています。この場合、現在価値PV(Present Value)は割引率rとしたとき、次のように計算できます。
(計算式 略)
ただし、キャッシュフローCn(n=1,2,3,…)は一定額の100万円、割引率rを5%とした場合の現在価値を次から選びなさい。
データサイエンス数学ストラテジスト上級公式の問題75
生保数理に登場する永久年金現価の公式を覚えていれば、暗算できる問題です。