金融庁が「金融機関における気候変動への対応についての基本的な考え方」を公表

金融庁が気候変動対応の公開草案を公表しました。主な対象は銀行や保険会社。

earth blue banner sign
Photo by Markus Spiske on Pexels.com

基本的な考え方

  • 金融庁の検査・監督基本方針(平成30年6月29日公表)を踏まえ、分野別の考え方と進め方として、金融機関の気候変動への対応についての金融庁の基本的な考え方を整理し、意見募集に付すもの。
  • 本ガイダンスでは、顧客企業の気候変動対応の支援や気候関連リスクの管理に関する金融庁と金融機関との対話の着眼点や金融機関による顧客企業の気候変動対応の支援の進め方などを示している。
  • 各金融機関におけるよりよい実務の構築に向けた金融庁と金融機関の対話の材料であり、金融機関に対し一律の対応を義務付ける性質のものではない。

以下のサイトで国際アクチュアリー会が作成した用語集を仮訳しています。COP、IPCC、NDC、TCFD、NGFS…って何?という方向けにまとめたものです。

保険会社に関する取組

  • 生命保険会社は、温室効果ガス排出削減目標を掲げる動きが進んでいる。投資判断に、ESGの要素を考慮し、温室効果ガス削減目標を掲げる。カーボンニュートラルの実現に向けた新たな資金需要に積極的に対応していくことが期待される。
  • 保険商品の提供を通じて、顧客からリスクを持続可能な形で引き受けることが重要。再生可能エネルギーの普及・拡大や企業の脱炭素化の取組を支援する商品も。AIを活用した洪水の被害予測システムの開発など、コンサルティングも。

IFRSのサステナビリティ開示基準(ISSB)、GFANZやNZIA、TNFDなどのCOP26前後の動向を以下のサイトでまとめています。

気になるORSAとの関係

  • 保険会社においては、リスクとソルベンシーの自己評価(ORSA:Own Risk and Solvency Assessment)の一環として、気候変動に関連する機会やリスク、およびそれらを踏まえた戦略やリスク管理、資本の状況の妥当性を評価することも考えられる。
  • 国際的に活動する損害保険グループについても、リスクが顕在化した際にも補償機能が維持・発揮されるよう、ORSA の一環としてシナリオ分析を行い、財務へのインパクトを評価することが望ましい。

注記ですが、ORSAに関する言及も2か所に登場しています。金融庁の公開草案では記載がありませんが、EIOPAが昨年末にORSAに関する実務ガイダンスを公表しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です