タイの保険規制当局が語る、タイでのコロナ保険
2022年2月17日の日経新聞に、以下の記事がありました。
タイでコロナ保険金支払い急増 財務悪化で打ち切りも
- タイでは複数の保険会社が2020年からコロナ保険を販売
- 2021年8月末までに合計で約4000万件が契約
- 2021年半ばからの感染拡大による保険金申請の急増を受けて、新規募集を打ち切る保険会社が相次ぐ
- コロナ保険の保険金支払いが膨らみ、財務が悪化したサウスイースト保険が今年1月に自主廃業
タイ保険委員会事務局の保険監督官Thanita氏は、タイの現状について以下のように語っています。
新型コロナの大流行により、保険会社は事業の運営方法について再考し、より積極的に行動することを余儀なくされています。パンデミックは新たな大きなリスクを露呈し、その結果、リスク評価プロセスがより困難なものになりました。タイで流行が始まった2020年当時、一部の保険会社は楽観的で、COVID-19の感染を補償する保険商品を販売していました。この商品はシンプルでした。被保険者には一時金(一般に1500ドルから3000ドル)が支払われ、保険料はかなり安いものでした(6ドル以下)。この商品は、市場でベストセラーになりました。損害率は平均10%程度で、初年度は保険会社に利益をかなりもたらしました。残念ながら、2021年に入ってから、タイは流行の第3波に襲われ、状況は悪化の一途をたどることになりました。1日の新規感染者数が100人から2万人近くまで急増したのです。この一件は、タイの保険会社の間で、特に新型コロナのようなエマージング・リスクにアプローチする際に、効果的なリスクマネジメントへの意識を促しました。保険会社は常にリスク・モニタリングを行い、戦略的な再保険プログラムに支えられた積極的な再保険料のリプライシング、さらにはリスクの性質を理解し適切に管理するための多用途のITインフラと知識を持つ必要があります。
このような状況を踏まえ、規制当局は、保険契約者を保護することと保険会社を支援することのバランスを取りながら、この厳しい時期を共に乗り越えていこうとしているのです。パンデミック対策(都市封鎖時)で行った重要な取り組みのひとつに、対面ではなくデジタルミーティングの導入があります。これにより、保険契約者は保険商品へのアクセスの柔軟性を高め、代理店やブローカーは販売時点においてお客様との社会的距離を保つことができるようになりました。
https://theactuarymagazine.org/insurance-industry-in-thailand/
この保険料を見ると、日本のコロナ保険よりもアグレッシブな保険料ですね。