第一生命が住信SBIネット銀行、楽天銀行と提携し銀行サービスに参入するので、BaaSの海外事例を調べてみました。
2021年12月22日の日経新聞に「第一生命、銀行サービス参入」という記事がありました。
記事の概要
- 銀行代理業の許可を得たうえで、2022年半ば以降にサービスを始める
- 保険商品だけでなく、預金や投資信託など幅広い金融商品の契約をできるようにする
- 契約者が受け取った保険金を預けられる受け皿として、資産運用サービスを充実する
第一生命のリリースを見ると、住信SBIネット銀行のNEOBANKサービスを利用する様子。
住信SBIネット銀行は、ネットを通じた金融サービスの提供とNEOBANKというBaaS(Banking as a Service)サービスを中心とした事業を展開しているインターネット専業銀行。
金融機関として新たなビジネスモデルの構築を目指して、今年10月に上場申請も行っています。
Banking as a Service
保険会社がBaaSを利用することで、どんなサービスが考えられるのでしょうか?
第一生命のリリースには、具体的なサービスが公表されていなかったので、海外のサービスを調べてみました。
ドイツで2014年に設立されたFTS。FTSはオープンバンキングのインフラとデータ分析に特化した会社です。
FTSが「保険会社がオープンバンキングを利用して顧客体験を向上させ、収益を増加させる方法」というブログを載せていました。
- 保険会社に新たな収益チャネル、顧客データの最適な活用、その結果としての顧客満足度や顧客ロイヤルティの向上を約束する。
- 保険会社の顧客がオンラインバンキングにログインして金融情報を提供することで、データの利用に同意。
- アカウント情報サービス・プロバイダーは、データを使って、保険会社として顧客の支出や収入に関する総合的な分析を提供する。これをもとに、お客様一人ひとりに合った提案を行い、真の付加価値を生み出すことができる。
- 保険会社からよく寄せられる「お客様がすでに加入している保険は何か?」「保険カバーにギャップがあるのはどこか?」「顧客にとって特に興味深い、真の付加価値を提供できるものは何か?」という質問に答えることができる。
- 顧客の口座取引から得られる潜在的な保険の関係を、保険会社に迅速かつ分かりやすく提供。この情報をもとに、保険会社は保険の過不足や、どのような保険商品に興味があるのかを判断し、適切な提案を行うことができる。
- 特に、家庭を持つ、家を買う、新しい仕事を始めるなどの重要なライフイベントはすぐに認識されるので、保険コンサルタントはそれに応じて対応することができる。保険会社は、人生のあらゆる大きな変化に対して、適切な商品を迅速に提供することができる。例えば、顧客が初めて児童手当を受けることを技術的に示した場合、アドバイザーは生命保険契約を勧めたり、家族向けの特定の保険キャンペーンを指摘したりすることができる。
- データに基づいた最新の顧客プロファイルの作成にも活用することができる。これにより、クロスセルやアップセルのための的確な戦略を構築し、適切なユーザーに適切な製品を適切なタイミングで推奨することが可能になる。重要な情報をすべて提供し、それに基づいた最適なアドバイスを受けるかどうかは、お客様自身が決めることができる。
保険会社の永遠の課題である、顧客のライフイベントの把握を実現するプラットフォームとなるのか。今後の動向も要注目ですね。