日本アクチュアリー会「IAS19に関する数理実務基準」の改定草案の公表
アクチュアリー会が「IAS19に関する数理実務基準」の公開草案を公表しました。今回の改正は、ISAPに関する解釈明確化にともなう修正です。
公開草案に対しては特段の意見はなかったようで、原案とおり2021年12月20日に改正されています。
日本の退職給付会計
- 日本で退職給付会計基準が導入されたのは2000年のこと。
- 当時、企業の財務諸表からは掛金増加の可能性が事前に予測できないこと、退職給付制度の種類によって会計処理が相違するという点が問題視されていた。
- 退職給付会計基準では、①数理計算による債務評価、②すべての退職給付制度について共通の方式を適用、③発生主義による評価をおこなう。
- ①の数理計算による債務評価を行っているのが年金アクチュアリー。
- ②のすべての退職給付制度には、厚生年金基金、確定給付企業年金、退職金が含まれる。ただし、掛金があらかじめ決められている確定拠出年金は、退職給付債務の計算対象外とされる。
IAS19とは
- 退職給付会計に関する会計基準を規定した国際会計基準。
- 日本の企業会計基準委員会は、国際会計基準との違いを解消することに合意。
- 会計基準の国際共通化が図られる中で、日本の退職給付会計基準についても2012年に改正された。