究極の健康増進プログラム？ニュージーランドでタバコの販売が禁止に

死亡リスクの一番のリスクファクターとされる喫煙。

ニュージーランドで、喫煙そのものを禁止する動きが出ています。

国家単位での健康増進プログラム－そんな取り組みの背景を調べてみました。

ニュージーランドでタバコの販売を禁止に

ニュージーランドでは、最終的に喫煙者をなくすために、次世代の人々へのたばこの販売を禁止することになりました。

2008年以降に生まれた人は、来年制定される予定の法律により、生涯にわたってタバコやタバコ製品を購入することができなくなります。

タバコへのアクセスを減らし、タバコに含まれるニコチン量を制限するこの「世界をリードする」改革を、国内の医師をはじめとする健康専門家は歓迎しています。

ニュージーランドでは、2025年までに国民の喫煙率を5％に下げ、最終的には完全になくすという国家目標の達成を目指しています。

現在、ニュージーランドでは成人の約13％が喫煙しており、約10年前の18％から減少しています。しかし、先住民族であるマオリ族の喫煙率は31％と非常に高く、病気や死亡率も高くなっています。

ニュージーランド保健省によると、喫煙は4つのがんのうち1つの原因となり、500万人の人口のうち、予防可能な死因の第1位となっています。この業界は、10年以上前から議員たちの標的となってきました。

タバコの販売が禁止されるまでの背景

• 1948年: 保健省が、喫煙とがんを結びつけるポスターをニュージーランドで初めて作成
• 1963年: ニュージーランドのテレビ・ラジオでのたばこ広告は、医師会の呼びかけに応じて放送局当局が禁止
• 1964年: 喫煙と健康に関する報告書が発表され、喫煙が心臓病や他の種類のがん、その他多くの健康問題と関連していることが明らかに
• 1974年: タバコのパッケージに初めて健康に関する警告を表示
• 1984年: マオリ族の男女の肺がん罹患率が世界で最も高く、政府初のたばこ対策プログラムが開始
• 1987年：ニュージーランドで販売されているタバコのパッケージの表と裏に、喫煙が心臓や肺の病気につながることを示す、多様で強力な健康警告が新たに表示。職場や公共の場での屋内での喫煙を制限することに、国民の強い支持が集る。
• 2004年: ニュージーランドのすべての認可施設（バー、レストラン、カフェ、スポーツクラブ、カジノ）およびその他の職場の室内が禁煙に
• 2011年: ニュージーランド政府は2025年までに無煙のニュージーランドを目指すことを表明
• 2018年: タバコの標準化されたパッケージを導入
• 2020年: Smokefree Environments and Regulated Products (Vaping) Amendment Act 2020が2020年11月11日に施行
• 2021年: 2021年12月9日（木）に「喫煙フリー2025アクションプラン」を発表。長年の努力の結晶であるこの計画は、煙のない未来に向けての歩みを加速させ、喫煙されたたばこ製品がニュージーランドの人々にもたらす害に対処するもの。

喫煙フリー2025アクションプラン

長年の努力の集大成である本計画は、煙のない未来に向けた歩みを加速させ、喫煙されたタバコ製品がニュージーランドの人々にもたらす害に対処するものです。

ここまで来るのに、多くの組織、サービス、擁護者、学者、研究者、コミュニティの代表者、個人、そしてワーナウが重要な役割を果たしてきました。

喫煙率は正しい方向に向かっていますが、私たちにはまだやるべきことがあります。これまでのようなやり方ではなく、新しいことに挑戦していかなければなりません。2025年の無煙化に向けては、ひとつの施策だけでは達成できません。喫煙をなくすためには、多角的なアプローチと証拠に基づいた対策が必要です。

• アクションプランのすべてのレベルにおいて、マオリ族のリーダーシップと意思決定を確認。この重点分野の一環として、行動計画がマオリの無煙化目標の達成に向けて順調に進んでいることを確認するためのタスクフォースを立ち上げている。
• 国中の人々が無煙の目標に向けてやる気を出し、禁煙の道を歩む人々にサポートを提供するために、健康促進やコミュニティ活動に資金を提供
• 太平洋地域向けの禁煙サービスなど、よりカスタマイズされた支援に投資することで、人々の禁煙の道のりに必要な支援を提供
• ニコチン量の少ないタバコ製品のみを販売し、製品の魅力や中毒性を高めるデザインを制限することで、禁煙を容易にし、中毒になりにくくする
• タバコ製品を販売する店の数を減らし、無煙の時代を実現することで、タバコ製品を買いにくくする
• タバコ業界と小売業者に法律を守らせる