アクチュアリーの野口さんの新著:保険業界2.0

昔からお世話になっている野口さんが本を出版されました。

きんざいのウェブサイトで「保険業界の未来予想図」と紹介される同書。

野口さんが意識しているかどうかは別にして、出口さんの座右の書『貞観政要』に似た表紙をめくると「アクチュアリーを目指して保険会社へ」という目次が目に留まります。

アクチュアリーに対して強い想いを抱いている野口さんにしては、本書には「アクチュアリー」という単語があまり登場しない印象ですが、商品開発だけでなく、営業、アンダーライティング、マーケティング、広報、SDGsなど、アクチュアリーの伝統的な領域を超えて活躍している野口さんだから執筆できる視点が随所にあります。

アクチュアリーが活躍するフィールドの広がりを感じさせる本でもあります。

同書のイントロにあたる、この第2章をこのサイトで紹介します。

大学受験時は、将来医師になりたいと願い、医学部を受験したものの失敗して断念。理工学部に進学しましたが、専門職への興味は尽きずに悶々とした学生生活を過ごしていまし。そのような中、ふとしたことがきっかけでアクチュアリーの存在を知りました。数学の知識を活かせる専門職で働きながら受験が可能という点が魅力的であり、将来の進路をアクチュアリーが多数在籍する保険会社へ絞りました。

同書15ページ

医学部志望だったという話は初めて聞きました。

アクチュアリーを知った「ふとしたきっかけ」が気になります。

大学を卒業した後は損保アクチュアリーになることを夢見て、三井住友海上火災保険に入社しました。自分ではアクチュアリー候補としての採用だと思っていましたが、研修後に告げられた最初の赴任地は山梨支店でした。大学4年生のときに、アクチュアリー試験の1次試験全科目(当時6科目)を受験という大見得を切っておきながら、全敗という惨憺たる結果に終わったため、今考えるとある意味当然のことであったといえます。

同書15ページ

野口さんが営業からスタートしたという話は、野口さんにあった人であれば聞いたことがあると思います。

大学4年生のときに全敗、という点は、自分と同じなので、勝手に親近感を持っています。

アクチュアリー試験の1次試験に何科目か合格し、営業成績が好調であったことや、多くの代理店新設に成功したことなどもあり、3年後には本店にある第三分野商品の商品開発、商品営推、アンダーライティングなどを担当する部署に異動することになりました。

同書16頁

法人営業を担当していた時期に、アクチュアリー試験の2次試験に合格したこともあり、その後は自身が希望していたシティバンクグループとのジョイントベンチャー企業へ出向することができました。

同書19ページ

営業しながらアクチュアリー試験に合格という部分、共感する読者もいるのではないでしょうか。

野口さんの強い反骨精神は、社会人の最初の頃に形成されたのかもしれません。

その後は、SBIグループが日本初のインターネット専業生命保険会社を立ち上げる話に興味を抱き、人生初の転職にチャレンジしました。

同書20ページ

野口さんとは初めてお会いしたのは、この頃でした。

保険業界の変革に対する気勢を感じたアクチュアリーの一人でもあります。

インターネット専業生保で5年ほど働いた後、2012年にチューリッヒ生命に転職しました。・・・商品開発、マーケティング、広報、ブランディング、CSRなどを担当していますが、これらは生命保険会社にとって全く異なる機能ではなく、非常に密接な関係にある機能であると考えています。例えば、実際に商品開発をする際は、まずはどのような社会的な背景や意義があるかを考え、続いて、商品コンセプトや対外的なメッセージを作り、その後に具体的な保障内容を決めるというプロセスをとるからです。

同書22ページ

この部分は同感です。

ヒット商品をいくつも世の中に送り出している野口さん。その理由を垣間見ることができる表現です。

やっぱり野口さん、視点が広いですね。以前よりも、どんどん広がっている気がします。

あまり書くと、ネタバレになってしまうので、この辺で。

保険業界の人には、一歩ステップバックして、自分たちが置かれている状況を俯瞰的に見つめなおすきかけに、そしてアクチュアリーを目指す学生には、アクチュアリーとしてのキャリアを考えるきっかけになると思います。

続きが気になる方は、ぜひ手に取って、同書を読んでみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です