南ア最大の民間医療保険会社であるディスカバリーヘルス社がオミクロンに関する大規模なリアルワールドデータを用いた分析を発表

2021年12月15日の日経新聞に「ファイザー製2回接種、重症化7割防止 南アで調査」という記事がありました。

記事の概要

  • 新型コロナの変異株が広がる南アで、ファイザーとビオンテックのワクチンを2回接種した人の70%が重症化を防げるとの調査結果が公表された
  • ディスカバリーヘルス社が医療機関と共同で大規模調査を行ったもの
  • 調査ではデルタ型に比べると、オミクロン型はワクチンが効きづらい
  • ファイザー製ワクチンはデルタ型の93%で重症化を防ぐが、オミクロン型は70%にとどまる
  • 南アは人口の26%がワクチン接種を終えている

この記事は、14日にディスカバリーヘルス社が公表したリリース記事によるもの。

ディスカバリーヘルス社のリリース

  • ワクチンの効果:現在のオミクロンの状況化において、ファイザー・ビオンテックを2回接種することで、入院を要する新型コロナの重症合併症に対する70%の予防効果と、新型コロナの感染に対する33%の予防効果が得られる。
  • 再感染リスク:過去に新型コロナの感染がある人の場合、オミクロンに再感染するリスクは、過去の変異体に比べて有意に高くなる。
  • 重症度:2020年半ばの南アフリカの第一波のD614G変異を含む感染と比較して、新型コロナと診断された成人の入院リスクは、ワクチン接種状況を調整後で、オミクロン型の感染では29%低下する。
  • 子供:絶対的な発生率は非常に低いものの、予備的なデータでは、D614Gが主導した第1波に比べ、オミクロンが主導した南アフリカでの第4波では、子どもの入院リスクが20%高いことが示唆されている。

これらの考察は、オミクロン型が南アフリカで発生してから最初の3週間のデータに関するものであることに留意してほしい。今後の状況は変化する可能性があるため、これらの洞察は予備的なものと考える必要がある。また、このデータは、南アフリカの人口全体における新型コロナの抗体の高い血清有病率など、さまざまな要因も混在している。

370万人以上の顧客を持つディスカバリーヘルス社は、保険金請求や民間医療制度の利用に関する広範なデータを有しており、新型コロナの影響について、大規模かつ実世界での洞察を得ることができるユニークな立場にある。

この1カ月間、ディスカバリー・ヘルス社の臨床研究チームとアクチュアリー・チームが、オミクロンの実環境への影響に関する初の大規模な分析を実施した。

  • ディスカバリーヘルス社は、南ア医療研究評議会の世界有数の研究者と提携し、オミクロン感染に関連する感染症や重症化に対するファイザー・ビオンテックのワクチン効果に関する知見を提供。
  • ディスカバリー・ヘルス社はさらに、オミクロン感染の他の様々な要因、すなわち感染拡大の速度、過去の波に対する重症度、臨床症状、新型コロナの感染実績による相対リスクについて調査。

18歳から79歳までのすべての年齢層で、入院に対する予防効果が維持されていることが分析から明らかになった。ただし、高齢者では予防効果がやや低くなっている(60歳から69歳で67%、70歳から79歳で60%)。また、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症、その他の循環器系疾患など、さまざまな慢性疾患においても、入院に対する予防効果は一貫している。

やっぱり原文の方が情報量が多いですね。

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