「東京都の高齢者の生活実態」から学ぶ、プライシング・アクチュアリーとして必要なポイント

高齢者の家族、健康、住宅、就労などの生活実態や、住まいや日常生活サービスに関する意識について調査した、高齢者の生活実態。

今年の10月に東京都福祉保健局から公表された資料です。

経験データを使用することなく、第3分野の保険料計算を行う場合、公的データを使用することが一般的です。

東京都のデータなので、地理的なバイアスがあるデータです。被保険者集団のリスクを把握するには適切ではないかもしれない、という点は念頭においた上で、調査結果の概要を見てみましょう。

調査対象者

  • 東京都内に居住する65歳以上の在宅の高齢者が調査の対象
  • 4711人の回答結果を集計(回収率:78.5%)
  • 男性45.4%、女性54.6%
  • 平均年齢は、75.9歳
  • 75歳以上の後期高齢者の割合が51.5%

家族

  • 世帯人員の平均は2.2人で減少が続いている
  • ひとりぐらしの高齢者は、男性18.7%、女性25.2%
  • 75歳以上の「単身世帯(ひとりぐらし)」の割合は、男性14.7%、女性28.7%
  • 高齢者のみの世帯が57%

高齢者の健康状態

  • 「よい」と「まあよい」を合わせた割合は45.5%
  • 普段の食事の用意は、「自分が調理」の割合が最も高く、約5割
  • 「日常生活のことはほぼ自分ででき、ひとりで外出できる」自立した人の割合が90.3%
  • 現在何らかの傷病にかかっている人の割合は87.1%
  • 男女とも、高血圧症の割合が高く、3割超
  • 健康のために気を付けていることは食生活が最も高く、約7割
  • 「延命のための医療を受けずに、苦痛を取り除く程度の医療を受けたい」 の割合が最も高く、63.8%

介護保険

  • 「認定を受けている」人の割合は15.0%
  • 要介護認定を受けている人の中でみると、「要支援1」の割合が22.5%、「要支援2」が18.6%
  • 介護を受けている人のうち、介護者が「子供」である割合が54.2%で最も高い
  • 日常生活支援サービスを「現在、利用している」人の割合は10.2%
  • 「運動している」人の割合は約5割
  • 「フレイル」という言葉を「知っている」割合は18.7%

この統計で、プライシング・アクチュアリーとして一番気になるのは表4-1。

寝たきり高齢者でも、公的介護認定を申請していない人が2.2%います。

寝たきりに近い高齢者でも、申請していない人は14.5%もいます。

公的統計を使う場合、このような「アンダーレポーティング」をどのように考えるのかは重要なポイントです。

認知症

  • 認知症で不安に感じていることは、「家族や周囲に負担がかかるか」の割合が最も高く、48.1%
  • 成年後見制度を知っている人の割合は43.5%

住まい

  • 現在、住んでいる住宅の種類は「持家(一戸建て)」の割合が59.2%で最も高く、次いで「持家(分譲マンションなど)」が19.3%、「民間賃貸住宅」が11.4%
  • 賃貸住宅の人の家賃は「5~10万円未満」の割合が最も高く49.2%

コミュニケーション

  • 外出の頻度は「ほぼ毎日」の割合が最も高く、45.0%
  • 子供との交流は「ほとんど毎日」の割合が最も高く、42.5%
  • インターネットを「積極的に利用している」割合は、25.6%
  • 生きがいを感じている人は約8割
  • 生きがいを感じるときは、「趣味やスポーツに熱中しているとき」、「夫婦や孫など家族との団らんのとき」、「友人や知人と交流しているとき」、「テレビを見たり、ラジオを聴いたりしているとき」の割合が高く、いずれも4割を超えている

社会参加

  • 「この1年間に趣味やスポーツ、地域活動などを行った」人の割合が44.4%
  • 健康状態が良くない人ほど、「この1年間に趣味やスポーツ、地域活動などを行った」人の割合は低い
  • 活動をきめたきっかけは「友人・仲間の誘い」が最も高く約4割

就業

  • 現在、「仕事をしている」人の割合は約3割
  • 就労形態は「契約・臨時・派遣・パート」が最も高く36%
  • 仕事を続ける理由は「収入を得たいから」が最も高く73.2%
  • 何歳頃まで働ける社会が理想かについては、「70歳頃まで」の割合が約3割
  • 主な収入源は、「公的な年金・恩給」の割合が最も高く、6割
  • 本人の年収は「100万円以上200万円未満」の割合が最も高く、25.7%
  • 対象者の世帯の貯蓄は「3,000万円以上」の割合が17.0%で最も高い
  • 一人暮らし世帯では、貯蓄がない人の割合が18.1%

災害に備えた対策

  • 「停電時に作動する足元灯や懐中電灯などを準備している」の割合が最も高く、65.5%
  • 特に対策を行っていない人の割合は10%

東京都への要望

  • 「年金や医療など国の社会保障制度」の割合が最も高く、54.2%
  • 「一人暮らし高齢者に対する支援」が次いで高く、52%

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