世界経済フォーラムのグローバルリスク報告書2022

2022年1月11日に公表された報告書です。(→原文はこちら

日本に関する記載を見ると、

  • 地政学的な緊張は、経済的な領域にも波及している。例えば、インドと日本はパンデミック時に保護主義的な政策を実施した。
  • 宇宙計画は、地政学的、軍事的な力を誇示すると同時に、科学的、商業的な意義もあるため、今でも国家の威信を示すものとして広く見なされている。中国、ヨーロッパ(EUとESA)、フランス、ドイツ、インド、日本、NATO、ロシア、イギリス、アメリカなどの大国は、宇宙軍を公に発表し、宇宙インフラの建設を続けており、2030年までに少なくとも5つの新しい宇宙ステーションを建設する計画が進行中である。
  • 国家的な宇宙への野望は、宇宙の軍事化というリスクの高まりももたらします。米軍は2019年に軍部の別部門として宇宙軍を創設し、日本の宇宙作戦隊と英国の宇宙司令部はこの2年間に創設された。

パンデミックの保護主義や宇宙戦略は、日本ではあまり報道されていない内容です。

日本のリスク
1位長引く経済停滞
2位異常気象
3位国家間の紛争
4位サイバーセキュリティ対策の失敗
5位大規模な経済圏での資産バブルの崩壊、感染症
グローバルリスク報告書のTable B.1

不均衡な回復にリスク(日経)

  • 新型コロナからの回復度合いが国によって異なる不均衡な回復が、主要な懸念
  • 有識者の9割が、今後3年の世界情勢に悲観的
  • 長期的に最も懸念すべき課題は環境リスク
  • 有識者が考える今後5~10年のリスク上位10位には「異常気象」「生物多様性の損失」など環境関連5項目の他、「望まない移住」「資源めぐる争い」などが入った
今後10年間のリスク分類
1位気候変動対応の失敗環境
2位異常気象環境
3位生物多様性の喪失環境
4位社会的結束の浸食社会
5位生活破綻社会
6位感染症の広がり社会
7位人為的な環境災害環境
8位天然資源の危機環境
9位債務危機経済
10位地経済学的対立地政学
グローバルリスク報告書のFigure1.3

有識者84%、今後3年の世界情勢は「悲観的」(CNN)

  • 今後3年間の世界情勢について、有識者の84%が悲観的な見通しを示している
  • 今後3年間の世界について、不安定な情勢と突発的な出来事が続いたり、国家間の不均衡が拡大したりする結果、相対的な勝者と敗者が生まれる
  • 世界の人口全体のうちワクチン接種を済ませた人は約半数にとどまっていて、「ワクチン格差」が引き起こす経済回復のばらつきが、さらなる社会の分断や地政学的な緊張につながる
  • 長期的な見通しでは、今後10年間のうちに世界を脅かす最大のリスクとして、気候変動、異常気象、生物多様性の喪失、社会的結束の希薄化、生活危機と感染症、さらに債務危機などがあがった
  • リスクは宇宙空間にもあり、宇宙での活動が加速すると衝突の危険が高まり、宇宙ごみが増えたり、人工衛星などの軌道に影響を及ぼしたりする

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